Synopsis

鏡に映る自分の顔を見ていきなり頭の中に前世の記憶が蘇った。 「あ。俺、悪役令息だ!」 うん、この顔、腐女子だった姉に頼まれて無理やりクリアさせられたBLゲーム「ボクの王子さま」の悪役令息ことスノーデン公爵家長男、ミルリースだ。 確か、プライドが高く、主役である人気者の次男レオリースを妬み虐げまくるザ・悪役。 ということになっている。 そう。俺は何もしていない。なのに一方的に「人気者の次男を妬んで虐める性格の悪い長男」という役所にされてきたのだ。 いかんせん俺はクールな美少年すぎた。 伶俐な美貌と目の下のクマのせいで、黙っているだけで近寄りがたく見えてしまう。疲れてため息を吐けば「気だるい怠惰な空気を滲ませ」ているように見え、「腹減ったなー」と考えていれば「何を思うのか、その瞳を忌々しげに燻らせていた」と言われる。 成績だって、首席なのに「公爵家の権力を利用して裏から手を回し成績を操作している」と思われているしな。 なんでだよ!なんなら寝る間も惜しんで頑張ってるだろうが! こんな感じで誤解が誤解を生み、全てが「悪役ムーブ」に変換されてしまう俺。ゲーム主人公である弟が愛されキャラなのも、また俺を悪役に見せるのに一役かっていた。 このままいけば、主人公を虐げた冷酷な兄として断罪され、僻地で無念の死を遂げることになる。 そのどれもこれも俺が「悪役令息」だから。 そういう役回りだからか。 俺の心は折れた。 これまで皆に誤解され遠巻きにされてきた。 親にすら愛されたことはない。弟は何をしても褒めて可愛がるくせに、俺は主席になろうが「長男だから当たり前」だと褒められたことはない。 それでも自分を磨く努力を怠らなかった。不平不満もいわずに我慢してきた。 だけど、意味ある? 何したって「悪役令息」なら、意味ないんじゃないか? どうせ悪役にされるのなら、いっそ好き勝手に生きてやろう。 これからは我慢なんてしない。言いたい放題言ってやる! 家の為だとか長男だとか知ったことか!こんな家、レオリースにくれてやる! 俺は俺で独立して裕福な平民として生きる。 幸い前世の知識も思い出したから、平民暮らしもなんの問題もない。 前世の知識を活かして楽しく生きよう。 自分の道は自分で切り開くのだ。

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Syosetu wo Yomou
Syosetu wo Yomou01/17/2026
  • Current【7月書籍化】悪役令息の役どころからはサクッと離脱することにする。