Synopsis

「糸葉《いとは》さん、消しゴムの使い方、きれいだね」 それだけで胸が少しだけ熱くなったあの日。名前を呼ばれることがこんなに嬉しいものだと、初めて知った気がした。 あたたかだった私を呼ぶ声。一緒にいると心が落ち着いた。それは陽だまりの中、微睡むような心地よさに似ている。無理に話さなくてもよくて、沈黙も苦しくなかった。ただ隣にいるだけで、「大丈夫」と思える安心感。そうこれは── 手遅れな私たちの、手遅れな恋。

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Kakuyomu
Kakuyomu01/16/2026
  • Current手遅れな私たち