Synopsis
午前6時30分、世界はまだ薄暗い。
凍てつくコンクリートの上を、ペタペタと濡れた足音が響く。
理不尽な担任の命令で始まった「寒中水泳」。
スクール水着一枚で寒風に晒される僕たちは、男女の垣根を超えて、ただひたすらに温もりを求めて走った。
ふと隣を見ると、クラス委員の佐伯さんが震えている。
いつもは厳しい彼女が見せた、あまりにも無防備で必死な横顔。
寒さに麻痺した身体とは裏腹に、胸の奥だけが少し熱い。
これは、一番寒い季節に始まった、僕たちの少し奇妙な物語。
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