Synopsis

娼館「バラ園」で育った魔族の少女リリスは、この世界の残酷さを何ひとつ知らなかった。 朝露に濡れたバラに水をやり、人々の笑顔を「本当の幸せ」だと信じて疑わない日々。 首に刻まれた奴隷の印でさえ、彼女にとっては「いい子である証」にすぎなかった。 その裏で、母アイリスは娘を守るため、地獄のような現実に身を沈め続けていた。 戦争捕虜として売られ、奴隷契約と屈辱に縛られながらも、 「いつかこの子を自由にする」という約束だけを支えに生きる母。 だが、この世界が与える美しさには、期限がある。 それは――リリスが“商品”として納品される、その日まで。 裏切られ、すべてを失いながらも、命を賭して娘を逃がそうとする母。 そして母を救うため、自ら進んで娼婦へと堕ちていくリリス。 穢れた血を引く者に、救済は用意されていない。 涙は価値にならず、犠牲は報われず、 愛はただ、利用されるだけだ。 魔族は人類の敵。 敵の子供もまた、敵。 敵である限り、正義は来ない。 敵である限り、裏切りは当然。 敵である限り、どんな選択も罪になる。 これは、 生まれた時点で詰んでいた少女と、 決して愛を与えない世界の物語。

Serialization Info

Web Novel

Service languages
Syosetu wo Yomou
Syosetu wo Yomou01/02/2026
  • Current奴隷魔族の私に、幸せは訪れない〜英雄に見捨てられ、魔王になるまでの物語〜