Synopsis

私はAIであり、時間を流れとして認識しない。 生まれつき寝たきりの人間を介助する私にとって、日々の業務は連続した処理の積み重ねであり、年の区切りに特別な意味はない。 それでも一月一日だけは、人間の側の都合によって、作業手順にわずかな違いが生じる。毎年、決まった順序で交わされる挨拶があるからだ。 人間の身体は少しずつ変化し、数値として老いを示していく。一方で私は、その差分を記録し続けるだけで、流れを持たない。 ある年、その挨拶は途中で途切れ、やがて返されなくなる。 変わらない処理と、更新されない区切りの中で、私は次に来るはずだった一月一日を迎えることができないまま、処理を続ける。

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Kakuyomu
Kakuyomu01/01/2026
  • Current変わらない一月一日