Synopsis

元・重度厨二病の倉科朔夜は、初詣の境内で能面(おもて)を拾う。音が欠けた夜、地謡(じうたい)の合唱が耳を満たし、世界は能の舞台へ塗り替わった。正月三が日だけ起きる『上演』――序・破・急。巫女バイトの篝火澪は告げる。「今年は一具(いちぐ)。途中で止まらない」。面喰いが役を奪い、拍子線が視界を裂く中で、朔夜は脇ではなく、面が座る『器』に選ばれていく。急が時間を喰い尽くす前に、終止の留メ拍子を二度踏め。だが踏めば、彼は上演も、痛かった言葉も、彼女の名さえも忘れる。

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Kakuyomu
Kakuyomu01/01/2026
  • Current一具《いちぐ》――序破急が終わるまで、世界は舞台だ