Synopsis
あの春、図書室の窓のそばで
わたしはヒナ先輩に恋をした。
声に出すこともできず、
ただ「好きです」とだけ書いたラブレターを、
震える手で、ようやく渡した放課後。
でも、返事は来なかった。
翌日、ヒナ先輩は転校していた。
それでも──
「渡せただけでよかった」
そう思おうとする希(のぞみ)は、
先輩が好きだった詩集に、そっとしおりを挟む。
“また会えたら、もう少しだけ強くなれていますように。”
涙の落ちたその場所に、答えはなかったけれど、
たしかに一度だけ、恋をした春がそこにあった。
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