Synopsis
平安中期。
朝廷に新設された下級役職――記録官。
その職務はただ一つ、「起きた事実を正確に書き残すこと」。
下級貴族の娘・藤原(ふじわら)の綾子は、誰にも期待されず、その席に座っていた。
しかし彼女は、忖度を知らなかった。
前例、家格、空気。
それらすべてを無視し、見たまま・聞いたままを書き記す。
たった一行の記録が、
消された死を蘇らせ、
貴族社会の均衡を静かに崩していく。
武力も陰謀もいらない。
――事実は、それだけで権力を傷つける。
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