Synopsis
読み終えた本を地面に立てると角が塩に沈んだ。
──2,8192,2076。
カウントを終え、一冊の本を抱えたまま私は立ち上がった。
腰掛けていた岩塩の端が欠けて落ちる。それは同じ色の地面に転がると途端に見えなくなった。
いや、地面ではなく塩面か。
さらさらとした無色透明の塩の上を歩きながら言葉の修正を行なう。土なんて久しく見ていない。
この星は今や地球とすら呼ばれないのかもしれない。
呼び名を決める人類が滅亡しては意味のない推測だが。
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