Synopsis
さくらは病気で入院しました。
すると、おかあさんにも、おともだちにも、会えなくなりました。
カンセンタイサクだから仕方ないんだって、みんないいます。
五類なんて名前をつけたって、ウイルスがなくなるわけじゃない。
病院は抵抗力の弱った人が集まっているのだからなおさらだ。
――お医者さんも看護師さんも、おかあさんまで、そういうのです。
よくわかりました。
でも、さみしいのがなくなるわけではありません。
くすんくすん。泣いてしまいます。
でも、そんなとき、ふしぎな女の子がさくらをよびにくるようになりました。
「さーくらちゃん、あそびましょー」
ふたりは、病院の中庭の、おおきな木の下で、むかしむかしの子どもみたいに、手まりをついて、あそぶのでした。
たのしく、うたって、あそぶのでした。
いまは、もう、存在しないはずの、木の下で……
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