Synopsis
三日間だけ会える遠距離恋。
二十七日は触れられないまま、ただ想い続ける。
涼の一年は、毎月の「三日間」を中心に回っていた。
駅で迎える綾の笑顔。
仕事終わりの食卓。
抱きしめた温度。
日曜の別れ。
恋人未満、夫婦よりも深い。
名前をつけられなかった関係。
だが綾は、笑顔の奥に“影”を隠していた。
「また来月も会えるよね?」
「……うん、もちろん」
その当たり前は、永遠ではなかった。
最終章──綾は何も言わずに消える。
連絡も、痕跡も残さず。
まるで最初から存在しなかったように。
会える三日間が恋で、
会えない二十七日が、生きる理由だった。
これは──
涼が語る、名前のない恋の物語。
■ 登場人物
◆ 涼(40)
物語の語り手。
仕事は真面目、人間関係は最小限。
綾との“三日間”を生きる理由にしている。
素直じゃないが、綾への想いは深い。
そして最終章、最も深く傷つく存在。
◆ 綾(27)
遠距離の相手。
明るく優しいが、儚い影を持つ。
心臓の病を抱え、涼に隠し続けている。
「迷惑をかけず、誰にも看取られず消えたい」
そんな願いを胸に秘める。
◆ 南
綾の地元の親友。
綾の病を知っている唯一の人物。
第1部終盤で綾の過去に関わる。
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