Synopsis
図書館司書の「私」は、ある日図書館の本の中の針金(篇芯)が意思を持って動き出す音を聞き、本の内容が勝手に書き換わっていくのを目の当たりにする。自分が触れた『広辞苑』の篇芯に指を刺され、自分の記憶が本に書き込まれていると知る。記憶を持つ他者の篇芯を次々と取り込み、体は本のように膨れあがって巨大な記憶の塊になる。
だが自分の篇芯を見失い、それが『広辞苑』の中にあることに気づいた「私」は、自らの篇芯を引き抜き自己を崩壊させる。バラバラになった自分の記憶が街中に散らばり、それを読んだ人々は断片的な記憶を共有し合うようになる。
やがて大勢が集まり篇芯を編み直して図書館全体を一冊の本に変え、「私」もその中の一章として永遠に閉じられ、読む度に姿を変え続ける存在となる。
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