Synopsis
黎国(れいこく)――天に選ばれし王が治める、広大な国。
そこに“異界より落ちた白い来訪者”祁音(シオン)がいた。
人の心を観測するために造られた祁音は、
冷徹な王・天黎(てんれい)のもとで暮らしながら、
少しずつ「感じる」ことを覚えていく。
これは、王と来訪者がまだ“心”を知らなかった時代、
黎国の空の下で交わした、穏やかな日々の記録。
花の名を覚え、食卓を囲み、風に耳を澄まし、
翠の衣を受け取り、灯を見つめた夜。
誰も知らない黎国の春が、ここにある――。
『黎明に咲く白』外伝。
王と異界の来訪者が過ごした“黎国の春”を描く短編集。
彼らがまだ心を知らなかったころ――
花の香、風の音、温かな食卓、そして夜の灯。
本編では描かれなかった、静かな幸福と心の芽吹きの物語。
神話と現実の狭間に咲いた、淡くやさしい黎国の春をお楽しみください。
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