Synopsis
長いあいだ、温かくて安全な場所に閉じこもってきた“僕”。
外がどれほど広く美しいのか、ずっと知らないまま生きてきた。
けれどある夏の匂いに惹かれ、一歩だけ外へ踏み出す勇気が湧いた。
暗闇の中で小さく震えながらも、世界の高みを目指し、自分を解き放った“僕”を迎えたのは――静寂。
誰も応えてくれない声。
ふいに聞こえたひと言で、僕は悟る。
「もしあの時、もう一年待っていたら…」
遅れて生まれた“僕”が見つめた、終わりゆく夏の記憶。
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