Synopsis
榎田順一郎(えのきだ じゅんいちろう)、53歳。 職業は不動産鑑定士。専門は、いわゆる「事故物件」。 冴えない中年男の、冴えない仕事。
……だが、彼には人には言えない秘密があった。 そう、昔から幽霊が「視える」のだ。
視えるだけでも十分厄介だったのに、最近、彼の能力(?)は最悪のアップデートを遂げてしまう。
──幽霊の「声」が、聞こえるようになってしまったのだ。
「ちょっとアンタ、視えてるんでしょ! この部屋、生乾きの臭いがするって伝えてよ!」 「ああ、オレの赤いMGB……あれで芦ノ湖スカイラインを走るまでは死にきれねえ……」
物件に棲みつく地縛霊から、未練タラタラの浮遊霊まで。 次から次へと寄せられる、聞きたくもない愚痴、ぼやき、そして"最後の願い"。
しっかり者の相棒・碇裕美子(いかり ゆみこ)に「またサボってるんですか?」と怪しまれながら、 今日も榎田は(超・仕方なく)幽霊たちの面倒な後始末に奔走するハメになる。
これは、地味な中年男が「視える」力で紡いでいく、 少し不思議で、少し切ない、日常系オカルト(受難)記録。
【主な登場人物】 ◆ 榎田順一郎(53):本作の主人公。冴えない。幽霊の愚痴にうんざりしている。 ◆ 碇 裕美子(28):相棒のOL。真面目。榎田の奇行を訝しんでいる。
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