Synopsis

「ドナ、どうかしらこれ?」  私の専属メイドであるドナに、今日のメイクを見てもらう。 「わあ! とってもお綺麗ですお嬢様! これならきっとジェイコブ様も、お嬢様にメロメロですよ!」 「ふふ、メロメロって」  大袈裟にはしゃぐドナに、思わず口角が上がる。 「あ、もうこんな時間! ドナ、急いで馬車を準備して!」 「は、はい、お嬢様!」  今日はこれから婚約者であるジェイコブ様と二人で、夜会に出席することになっているのだ。  私は最後にもう一度だけ鏡でメイクを確認すると、自室を後にした――。 「遅いぞコーデリア! 5分も遅刻だ! どこで何をやってたんだッ!」 「――!」  が、夜会の会場に着くなり、ジェイコブ様から怒号が飛んできた。  ジェイコブ様は左腕に嵌めている腕時計を、右手の人差し指でトントン叩いている。  あ、あぁ……。 「……申し訳ございませんでした。少々支度に時間が掛かってしまいまして」 「支度だぁ? フン、大方またその似合いもしない厚化粧に、無駄な時間を使っていたんだろう?」 「……!」  無駄な……時間。

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Kakuyomu
Kakuyomu11/03/2025
  • Current婚約者に「時間の無駄だから二度とメイクはするな」と言われた伯爵令嬢