Synopsis
王宮の奥深く、第一王子アランは膝の上でランナーを切っていた。
艶のある樹脂の匂いが、冷たい石造りの空間を満たしている。
細いニッパーの刃がカチリと鳴るたびに、外の世界が遠ざかる。
だが、現実は容赦なく割り込んだ。
執務官の低い声が響く。
「……第三王子閣下が、暗殺されました」
プラモを作る手を止めたのは、その瞬間だけだった。
それでもアランは知っていた。
この連鎖は、必ず自分に火の粉をかけてくる。
そして、もう一人――あの弟に。
Serialization Info
Web Novel