Synopsis
とある深夜の交番。警官が机に日誌を広げ、ペン先を走らせていると、ガラガラと引き戸が開く音がした。
「あのー……」
「はいはい、こんばんは」
顔を上げた警官は、にこやかに笑った。入ってきたのは若い男。二十代前半といったところだろうか。表情は乏しく、どこか虚ろな印象を漂わせている。
財布でも落としたのだろう――そう思い、遺失届の用紙に手を伸ばしかけた警官だったが、ふと動きを止めた。
――この男……どこかで見たことがある。
知り合いではない。だが、確かにどこかで見覚えがあった。
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