Synopsis
一部非公開の部分があります。
ウルゼン国の王太子エディエットは、王妃の産んだ正真正銘王位継承権第一位の王子である。
だがしかし、エディエットを産んだ王妃は遠い異国の地から嫁いできたため、公の場に姿を現すことはなかった。姿を見せたのがたった一度きり、婚姻式の時だけとあれば、国民たちはその顔も姿も、髪の色も何もかも覚えてなどいなかった。
けれども、第一王子にして王太子であるエディエットは、毎日毎日公務をこなし、父である国王を支えてきた。それなのに、なぜだか知らないうちに王太子の婚約者が決まり、婚約発表の日取りが決められていた。
エディエットは衣装の手配をし、スケジュールを組み、ありとあらゆる手配をしていくのだが、病に伏せる国王には何も知らされてはいなかった。
そうして婚約発表の日、エディエットはこっそりと城を抜け出した。自分の持てるすべてを持ち出して。なぜなら、企みを知ってしまったから。
そうしてエディエットがたどり着いたのは、かつて父である国王から贈られた辺境の地。幼いころの思い出がたくさん詰まった邸である。あまりにも国の端にあるために、王都に住む人たちからは、その地名さえ忘れ去られたほどである。
長らく不在であった邸の扉を開け、エディエットは新しい生活を始めることにした。辺境の地の住民は、名前も顔も知られていない第一王子のことなど気にも留めてはいなかった。それどころか、エディエットを働き者の新しい領主として快く受け入れてくれたのだった。
領民のためにエディエットはよく働き、辺境の地に暮らす人々の暮らしを豊かにしていった。もちろん、そんなことは王都には全く知られなかったけれど、魔獣の森をはさんだ帝国に知られてしまう。きっかけは、母の故郷に帰るための道をエディエットが作ってしまったことだった。
母の故郷の国、アシュタイという国はもとより貧租な国であったため、帝国の侵略を受けるまでもなく滅んでいたのだ。そうしてある日、帝国からたくさんの騎馬が辺境の地に押しかけてきた。その中で一番目立ちなおかつ鎧を身に着けていない男、チールド帝国の皇帝アラムハルトに求婚されたのであった。
拉致されるように帝国に連れ去られ、無理やり初夜を迎え第二妃夫人となるのであった。
自分の存在価値を考えながら生きていく中、エディエットは自分のやりたいことを見つけ出す。
そうしていろいろと持ち出してきた品をエディエットは有効活用し、かつて自分を使いつぶそうとしたウルゼン国に手痛いしっぺ返しをし、帝国において自分の居場所と意味を見出すのであった。
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