Synopsis
竹下通りは今日もざわざわと息づいていた。
休日の午後、空はやや白っぽく、でもどこか春のにおいが混じっている。
人、人、人。制服のままの女子高生、観光客、派手なストリート系の若者、カップル。
その中を、わたし——水沢心音(みずさわ・ここね)は、少し早足で歩いていた。
「えっと、竹下口からまっすぐ……で、クレープ屋を右……あれ、どっちのクレープ屋だっけ?」
スマホの地図を拡大したり縮小したりしながら、心音は小さくため息をつく。
Serialization Info
Web Novel