Synopsis

高校三年の冬。  引っ越しを控えた私は、部屋の片隅にある古いクローゼットを整理していた。  奥の箱から出てきたのは、三年前の手紙。差出人は「私」ではなかったけれど、宛名は――“彼”の名前だった。  誰も知らない初恋。  誰にも言えなかった気持ち。  彼は今、別の誰かと付き合っている。  それでも、クローゼットの中で止まった時間が、どうしても動き出してしまった。  ――あの頃の「好き」は、まだここにある。  閉ざした扉を開けるたび、思い出がこぼれていく。  でも、それは痛みではなく、もう一度恋を信じたい心の証だった。  「忘れたはずの恋を、もう一度拾いに行こう。」  卒業を目前にした少女が、かつて置き忘れた恋を取り戻す物語。  切なさの中に、春の光が差す。  ――これは、クローゼットの中に閉じ込めた“恋”を、外に出すまでの話。

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Kakuyomu
Kakuyomu10/07/2025
  • Currentクローゼットの向こうに、まだ好きが残っていた。