Synopsis
幼い桃太郎は、迷子になり泣いていたところを、顔も名前も思い出せないが、優しい声と温かい感触を持つ少年に助けられる。共に過ごした楽しい時間は桃太郎の心に深く刻まれるが、少年は謎めいた言葉を残し、姿を消してしまう。しかし、桃太郎はもう少年が発した言葉をところどころでしか覚えていなかった。
時が経ち、成長した桃太郎は犬・猿・雉を従え、鬼ヶ島への鬼退治を決意する。彼らが対峙したのは、たった一人残された赤鬼。その鬼は、桃太郎の来訪を待ち侘び、ひどく興奮している様子だった。赤鬼の穏やかな響きを持つ声に桃太郎はどこか既視感を覚えるが、それを意識することなく、悪である鬼を倒す使命を果たすべく、決戦に臨む。赤鬼は、自らを極悪非道な存在として振る舞い、桃太郎に迷いなく斬り捨てられることを望んでいるかのように振る舞うのだった。
そして始まった両者の対決。桃太郎は躊躇なく赤鬼を斬り伏せる。しかし、息絶える鬼が発した「俺は、お前に…運命だから」という言葉は、桃太郎の心の奥底に強く響く。その瞬間、桃太郎は長年忘れかけていた幼い日の記憶と、目の前の鬼が不思議なほど重なり合う感覚に囚われ、衝撃と深い後悔に打ちひしがれる。
村人たちは鬼を退治した彼を「英雄」と讃え、感謝と期待を寄せる。しかし桃太郎の心には、言葉にできない罪悪感と、過去の記憶との間に生じた葛藤が重くのしかかる。英雄としての賛辞さえも、彼を孤独な罪の淵へと深く追い詰める。桃太郎は、その重圧に耐えかね、ある日、置き手紙を残して村から姿を消すのだった。
本編以外にも番外編を出します!
乞うご期待!
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