Synopsis
穂(みのり)がいなくなってから、世界は
少しずつ色を失っていった。
残されたノートの最後の一文だけが、
記憶の底で濁っている。
読んだはずなのに、思い出せない。
それを探すうちに、語り手は穂の“臆病さ”に
触れ、現実が静かに歪み始める。
震えるマグカップ、動き出す時計、
灰色に染まる街。穂の声が聞こえる。
「来ないで。……でも、待ってる。」
喪失と再会の狭間で、語り手は扉を開ける。
これは、死後の世界に触れるほどの、
静かな恋の物語。
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