Synopsis
旅をする青年 × 家出少女
ボストンバッグを肩に下げ、大きなキャリーケースを持って歩く少女に、旅の途中の青年が、声をかけた。
「一緒に行く?」
少女が家出をした理由、青年の旅の訳。
「思い出なんかになってたまるか」
名取が吐き出すように言った。
声は震えて、その瞳からは涙が溢れる。
「薬なんかに、僕の心の邪魔をされたくなかった」
穂波は一筋、滴をこぼして、名取を抱きしめる。
「まだ、まだ生きてるんだよ」
——死んでないんだ。
神でさえ、サイコロの出目はわからない。
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