Synopsis
『トリストラム・シャンディ』
生まれる前から
物語は始まっていた
父の理屈と母のため息
そのあいだで僕は芽吹く
けれど一歩語り出せば
頁は横道へそれてゆく
伯父トビーの庭に砲台が並び
トリムの声が風に転がる
名付け違いは宿命の笑い
折れた鼻は人生のしるし
教育論も恋の理屈も
みな煙のごとく宙を舞う
語り手は嘆く
――物語が前に進まぬ、と
けれどその停滞こそが
世界の姿ではないか
未完の人生
未完の小説
笑いながら、つまずきながら
ページは白紙に開かれている
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