Synopsis
橙の埃が舞う放課後の音楽室だけが、遥が息をできる唯一の場所だった。
壁際に追い詰められた同級生・篠原を庇った瞬間、指先に触れた一冊の雑誌――それが、匿名の画面の向こうへ通じる扉となる。
画面の向こうの“声”は、遅れがちな拍を整え、現実の旋律さえ書き換えていった。合唱の成功、友の輪。そして銀の髪の少女“みのり”との恋。
けれど、最後の一音で旋律は裏返る。幸福の和音は、すべて隠された不協和音の上に築かれていた。
二度目に読むと、全てがホラーになる――その恋は、救いか、それとも捕食か。
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