Synopsis
「明日、お弁当つくってきてもいい?」
放課後の帰り道、楓音が僕にそんなことを言ってくれた。
彼女がお弁当をつくってくれるなんてこんな幸せなことはない。
翌日、楓音がつくってくれたお弁当はとてもおいしそうだった。
その中のひとつである卵焼きを食べたとき、僕の中で何かが揺れた。
ずっと昔の記憶が蘇りはじめた。もうずっと長い間、思い出していなかった記憶が。
気がつくと僕の目からは涙が流れていた。
この卵焼きは、僕の母がつくったものと同じ味なんだ。
いまはもういない母が作った味だった。
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