Synopsis
奏太は認知症の祖母と暮らしている。
三年前、高校二年の夏休み、近道しようとしたら住宅街で迷ってしまった。
さんざん迷ったあげく、住宅の裏側に広い通りまで抜けられそうな隙間を見つける。
横向きで人一人通るのもやっとという狭さに躊躇するが、暑さで限界にきていた奏太は隙間を進むことにした。
制服は汚れ肌に擦り傷を作りながらも、何とか抜けられそうだと思ったとき──
平凡な日常を形にしたような個性のない住宅街。
ただ裏側には、目に映りながら無関心という墓場に埋没し、廃棄もされず忘れられた物が溜まっていた。
隙間の道が通じていたのは──
奏太は静けさの中で声を聞く
もう抜け出せない……譲るしかない
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