Synopsis

小学五年で文具好きの桜井春は小学生ながら秘密組織を結成している。秘密のアダ名を使うことを義務としており、メンバーは四人。六年の閣下、同級生のアンテナ、下級生のキキ、そして桜井春ことパルコだ。  ある日パルコは、死んだ父親から手紙をもらう。手紙の中には、銀貨一枚と黒いバースデーカードが入れられており、カードには暗号が書かれていた。暗号は、町の片隅の廃工場の場所を示しており、四人はある夜に忍び込むことを計画する。集合場所の公園で出くわしたファーブルもメンバーに入れて、五人は廃工場に侵入する。  廃工場の一番奥の一室に、誰もいないはずなのにランプが灯る「世界を変えるための不必要の部屋」を発見する五人。  そこには古い机と椅子、それに大きな本とインク瓶があった。パルコは、その本に自前の万年筆で署名して、正式な秘密組織『ブルーブラックの灯り』を発足させる。  本に書いた後、何者かの足音が聞こえ、一時解散するメンバー。その帰り道に、パルコは父親の形見である万年筆が無いことに気づき、一人で廃工場に向かう。  誰もいない一番奥の一室に入ると、帽子を被った見たことのない青年がおり、パルコは本について説明を受ける。  その本は「シンクの卵」と呼ばれ、書いたことが現実になる本であり、地球の滅亡が計画的に描かれた本だった。本のガイドである青年に促されるまま、パルコは思いついたことを書き足し、微妙ながら世界を変えてしまう。さらに、本に閉じ込められている青年をも解放してしまう。  やがて、その本の前の著者である父が、本の物語の続きを自分に託したことを知るパルコ。その計画には本のガイドが必要だった。  物語の続きを書くために、実在するようになった秘密組織『ブルーブラックの灯り』と本の謎、父親の謎、解放してしまった青年を追っていく。  父親が託した物語は、本に閉じ込められていた「黄昏れる少女」こと地底人アークを故郷に帰すことだった。廃工場でアークと出会った秘密組織は、彼女を地底に戻すため奔走するが、それを地底政府が阻んでしまう。  本のガイドの助力もあり、阻止しようとする地底政府を出し抜き、不必要の部屋にたどり着いたパルコたちは、そこに本が無いことを知る。  途方に暮れた彼らに死んだ父が残したメッセージが届くと、パルコは父との思い出から「シンクの卵」が夢の中に存在することに気付く。半信半疑のまま秘密組織は眠りにつき、夢の中で出会った物語の最初の計画者である『彼ら』と呼ばれる地底人らと交渉する。  アークを地底に戻す交渉の末、パルコが物語の続きを書くことになり、構想家としてふさわしいか試される。  夢から覚醒したパルコは交渉が失敗だったと知るも、本の青年によって「シンクの卵」とは書名ではなくインク瓶を指すのだと気付く。パルコはインクを入れていた万年筆で、夢の中で交渉した出来事が現実になると手帳に書いて、地底人アークを故郷に帰す物語を現実にする。      ○主な登場人物  パルコ(桜井春)…主人公。小学5年生で作家の桜井秋の息子。秘密組織のメンバー  アンテナ…小学5年生。同メンバー  キキ…小学4年生。同メンバー  閣下…小学6年生。同メンバー  ファーブル…小学5年生。同メンバー  アーク…黄昏れる少女。同メンバー  ユニコーンの帽子の青年…本のガイド  マーヤ先生…パルコの担任教師  ポニーテールの女性…純喫茶の店主  ヨハンセン…ハリウッドスター  ミフネ…本好きの元翻訳家  南十字…教育委員会事務職員で政府の役人  桜井秋…パルコの父親で作家。すでに死亡  ペールブルードット…『彼ら』の一人  偉大な人…『彼ら』の一人

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Kakuyomu
Kakuyomu08/20/2025
  • Currentシンクの卵