Synopsis
早朝、小夜と愛馬(白美)が島の外れまで駆け抜けると、砂浜に侍が流れ着いていた。爺やに助けて貰う為白美を走らせて洞窟で待った。少年の寝顔は、我が子に似ていた。父親の一松はその少年を見るなり、四年前まで従軍していた三浦一族の家臣である今は亡き租根谷和正の次男泰明であると確信する。が腹の左からの刺し傷を見て驚く。妹のかよが偵察に租根谷の館を訪れるも「叔父上と夜釣りに行ってるのでは」との長男明正の答え。実は姉の小夜が大奥のたえと奥方の話し相手として仕えていた頃、明正に冒されたのだ。我が子を八か月の間だけ抱いて島に返されたのだった。やがて、島に北条の手先の者が捜索に現れる。謀反の嫌疑が掛かった泰明は老人に扮して難を逃れる。館に呼ばれた小夜は明正に泰明の行方を尋ねられるが知らぬを通し、その上「見つけたとしても渡す積もりはありませぬ。信じてあげるのが兄弟のいえ、親の務めでは」と心中を述べる。廊下で我が子を見るが直ぐに暇し、たえに手招きをされる。たえに「知っているならどうぞ逢わせて」と懇願され、島の寺まで来るよう図らう。事の発端は叔父の又造が出世の為に泰明と恋仲でありながら娘を北条館の見張り役である笹尾に紹介し、船上で家来に刺させたのではとの憶測が浮上する。一松が鎌倉で見たものは、正しく左手で受け取る笹尾の家来だった。娘に逢わせると一味を誘い出し、泰明が娘に扮し島の外れで兄弟揃って仇を討つ。
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