Synopsis
あの日、ピンク色の床が赤く染まった。
この場所で起きたその悲劇は、俺の心の中でずっと整理されないままだ。
亡くなった彼女の遺体。それさえも美しく見せるだなんて・・・・・・。
だから、桜が嫌い。この場所が嫌いだ。
楽しかったことも、絶望したことも、この木を見るといろんなことを思い出してしまう。そして、自分の中の狂った感覚に吐き気が止まらなくなる。
もう二度と、ここには来ない。来るもんか。
俺はずっとそう思っていた。
でも、気づいたんだ。この「嫌い」は特別だ。
自分の中で、ずっとこのままにしておくことはできない。
だから、今日は決めている。
「さようなら」って、言う。
この木にも、場所にも、さくらにも。
そして、自分の季節を前へ進めていこう。俺はもう、大丈夫。
過去と、それにたいする自分の気持ちに向き合うため、彼はあえてその場所に赴く。明日から前を向いて生きていくために。
きっともう、彼は後ろを振り向かない。
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