Synopsis
夏の四条河原夕涼みで弥兵衛は、娘をかどわかそうとしていた侍を退けた。侍の逃げ去った先は朝倉藩の藩邸であった。朝倉藩に問い合わせたが、知らぬ存ぜぬでことを終えていたが、内実は所払いにしていた。そんなこととは知らぬ弥兵衛は、秋も深まる頃になって不動寺の辺りをうろつく侍の棲家を調べるため上雑色松尾家の吾平に頼んだ。吾平の仲間の平助が侍の後を付け、行き付いた先が捨て子を預かっているという寺であった。ところが寺の僧達は知らぬことと言い、後日、平助が調べたところ寺の長屋の裏手に洞穴があった。そこで弥兵衛は、平助とこの方内を管轄する上雑色五十嵐家の源四郎の三人で、洞穴に踏み込んだ。洞穴を通り抜けると暖かく、そこには大麻が栽培されていた。三つの小屋では、大麻の葉の乾燥から刻みが行われ、朝倉藩の侍や捨て子、それに多くの男達が関わっていた。闇星の剣を携えた弥兵衛と、新たに闇の剣士として加わった十文字源四郎が、大麻畑と小屋に火を掛けた。小屋から逃げ出して来た子供を助ける平助に斬り掛かろうとする朝倉藩侍の坂口久兵衛。そこに源四郎が放った星影の飛剣と名付けた十字手裏剣が手首を切断し、刀ごと飛ばしていた。弥兵衛は連れ来られた男達を助け、逃げ去った男を追うと別の洞穴に来た。両脇の高台から放たれた矢を払い、高台に登って男達を切り捨てた。残った三人に案内させ洞穴へ入ると大麻の煙に巻かれ、高台に逃げ戻った。気を損なわれた弥兵衛が気付くと、殺気が漲りここの頭となる女と対峙していた。そこから投げられる短刀を断ち切っていると、幾度目かの短剣の切れ端が二の腕を傷つけた。そこに飛来して来た十字手裏剣が、女の後背にいた二人の男を倒すと、女は洞穴へと走り去った。
不動寺に戻り石不動に向かい合った弥兵衛に、現れた不動が語り掛けた。
「女も自ずから悪霊として生きて行こうとしておるので無く、何らかの大きな怨念が己の生き方に影響を与えているに違いないと思っておる」
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