Synopsis
「お前は持たざるものだ。私の言葉の重さを、痛みを、呪いをお前が理解するときが必ずくる。同志上級軍曹、いずれお前は」
そう彼女は言った。
あの戦争から一年。
元ソビエト赤軍最高峰の狙撃手、少数民族ヤクート人のゾーニャ。元大日本帝国の尖兵、反共コサックの血をひくヴィクトリア小沢。
かつて敵同士だったふたりは、亡国満洲を彷徨っていた。
ある日ふたりは中国共産党八路軍に追われていた日本人の子供、ユズと出会う。知らない故郷・日本を目指しているというユズに、ふたりは成り行きで協力する。
だがユズの秘密を巡り、八路軍だけでなくソビエトとアメリカ、二大超大国もまた策動する。
それは、ふたりにとって忘れがたい過去もまた追いすがることを意味していた。
総力戦終結から長大な戦間期へと至るきざはし、人々の思いが交錯する亡国満洲を舞台にする狙撃・諜報・百合の物語。
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