Synopsis
「その通りだ、ヴィオラ君。そのロケットは正真正銘、君の恋人の遺品だ」
名前の広まらない傭兵こそ真なる一流の傭兵。そう信じて疑わないフリーランスの傭兵ヴィオラは、ある賭博場で見知らぬ老人に仕事の依頼を持ち掛けられた。疑いの眼を老人に向け、ヴィオラは情報源を問いただすが、老人が口にしたのはなんと、既に故人であるはずの彼女の恋人「クラリア=スカーレット」の名前であり、証拠として差し出されたロケットもまた、正真正銘彼女の所持品であった。自ら埋葬したはずの恋人が、本当は生きているかもしれない。そんな、現実離れした事実を前に、彼女は思わず依頼を承諾してしまう。その手の内には、次なる仕事場の名前が書かれた紙切れが握られていた。過去から眼を背け続けている一介の傭兵はこうして、世界の本質と歪んだ過去が待ち受ける広大な戦場へと足を踏み入れる——。
人間同士の、組織同士の、国家同士の。尽きることのない軋轢の中で懸命により良い未来を目指す人間たちの強さと弱さを克明に描き出す重厚なハイファンタジー。
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