Synopsis

海が原町巷談図書館は、うわさの計測・収集・管理を行っております。


 海が原町はうわさの吹き溜まりだ。
 名物は、空鯨の潮吹き注意報。
 空を泳ぐ鯨がうわさを食べにやってくる。お腹がいっぱいになった空鯨は潮を噴き、浴びた人の記憶を奪う。

 ――そんな奇妙のうわさの半分は嘘で、半分は真実。
 何故なら、うわさは放っておくと本当になってしまうから。
 そして町で最も奇妙なうわさが集まる、海が原町巷談図書館は、それらのうわさを密かに計測・収集・管理し、空鯨と交流するために存在していた。


 そんな図書館の半人前女性司書・青井は、空鯨とそれが残す「言葉の欠片」に惹かれ引っ越してきた変わり者で、「うわさ物取扱資格者」になったばかりだ。
 一人前を夢見て仕事に励む彼女の元にある日、小林奏音という少女が「花火大会の前に、自分から出る恋のうわさを消して欲しい」という可愛らしい初恋にまつわる願いを持ち込んでくる。
 初めて館長にうわさの管理を一任された青井は、小さい空鯨に奏音のうわさの尾ひれを食べさせて解決する。
 しかし、日に日に彼女から溢れていた別のうわさは町中に広がって、やがて町に台風を呼び込んでしまい……。


お題の書き出し:その図書館には、奇妙なうわさがあった。
さなコン2025(「日本SF作家クラブの小さな小説コンテスト2025」)の「さなコンN部門」応募作。

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Alphapolis
Alphapolis08/10/2025
  • Current空鯨は初恋のうわさを食べきれない