Synopsis
空が、泣きそうな顔をしていた。
放課後のグラウンド。
曇り空のすきまから、かすかに夕陽がのぞいている。
その日、授業はぜんぶ右から左。
昼休みのパンも味がしなくて、放課後のチャイムだけがやけに耳に残った。
教室の外に出て、屋上に続く階段をのぼる。
意味なんてない。ただ、なんとなく逃げたかった。
窮屈な空気も、誰かの視線も、息をすることすら重かった。
屋上のドアを開けた瞬間、
風が、ざわっと通り抜けた。
そこに、君がいた。
フェンスにもたれて、空を見上げていた。
「……よ」
「え?」
「今日、世界が終わるんだって」
まるで天気予報みたいに、君は言った。
何の感情もない声で、
ただ、当たり前のことみたいに。
ああ、この人は、たぶん普通じゃない。
でもなぜか、そこから目が離せなかった。
その一言から、
俺の“最後の”放課後が始まった。
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