Synopsis
小説家として筆を折ってから数年――。
未完の原稿、一つの箱が、止まった時間をそっとほどいていく。
引越しの荷物のなかから見つけた、古びた段ボール箱。
そこには「落款の海」と記されていた。
かつての担当編集者・水原の筆跡。
箱の中には、未完のまま託していた原稿と、小さなメモが入っていた。
──『もう一度、白紙から。』
筆を折った理由も、筆を取らなかった年月も、全てが静かに解けていく。
それは“物語を解く”のではなく、“物語から解かれる”物語。
未完成だったはずの物語が、もう一度始まる。
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