Synopsis
昭和二十年、終戦を迎えた日本。広島郊外の村に暮らす少女・綾子は、戦地で行方不明となった兄・尚志を失ったと信じ、深い喪失感のなかで日々を過ごしていた。
ある日、彼女のもとに届いた一通の手紙。そこには兄の筆跡で「大麦畑で会おう」と記されていた。奇跡的に帰還した尚志と再会した綾子は、心に深い傷を抱えた兄とともに、戦争で荒れ果てた大地を耕し、大麦を育て始める。
四季の移ろいのなかで、ふたりは戦争の記憶と向き合い、喪失と再生の時間を重ねていく。そして、大麦の穂が風に揺れる季節。命をつなぎ、未来へ希望を託すための、小さな「祈り」の物語が静かに結実する。
これは、忘れられた戦後の片隅で紡がれる、ある兄妹の再生と絆の物語である。
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