神鳥未來(かんどり みきお)は、自らの死を三度「夢」で体験する。だがそれは夢にとどまらず、時間と現実を侵食する現象だった。重力のない空間に浮かぶ時計塔、そこで出会う白衣の“もう一人の自分”。未來は自らが「観測者」として、他人の記憶と過去の時代を歩く存在に選ばれたことを知る。現実の中に夢の痕跡が残りはじめる中、彼は東京の古書店で“Somnus Non Finis(眠りに終わりはない)”と題された書物を発見。その瞬間、再び時計塔へと引き寄せられる。彼の前に広がるのは、時代を超えた四つの世界。未來は「昭和二十年・東京・空襲の夜」を選び、新たな時の旅へと足を踏み出す。これは夢と現実、過去と未来の狭間で繰り広げられる、観測者の叙事詩である。