Synopsis
十七歳の夏、主人公・山田の記憶は逆回転を始め、夢で未来の出来事を見たり、現実と夢の境が曖昧になる。妹は彼の「うしろ姿」を好み、正面から顔を見ることを嫌がる。ある日、学校の屋上で「未来」と名乗る顔のない少女に出会う。彼女は時間を逆行させる能力を持つが、その代償で存在が曖昧になっているという。未来は、山田の記憶の逆行も彼の抱える後悔—転校したクラスメイト桜井美咲への告白できなかった思い—が原因だと告げる。
山田は桜井さんへの後悔に囚われ、彼女の「うしろ姿」だけを追い続けていた。だが、クラスメイトの田中から桜井さんが彼を心配し、伝えたかった手紙があると聞く。手紙は彼女の素直な気持ちを綴っており、山田は涙する。すると時空の裂け目が現れ、未来の桜井美咲が現れる。彼女は「未来から来たもう一人の私」と告げ、山田に「正面から彼女と向き合うように」と伝える。
翌日、記憶は元に戻り、山田は桜井さんの転校先へ向かう。再会した二人は恥ずかしさを乗り越え、初めて正面から向き合い気持ちを伝え合う。これまで追い続けた「うしろ姿」ではなく、互いの笑顔を見ることで、二人の関係は新たな一歩を踏み出す。
半年後、山田と桜井さんは週に一度会い、正面から顔を合わせて過ごしている。時間の混乱はなくなり、穏やかな日常が戻った。彼は「うしろ姿という虚構」から解放され、隣にいる彼女の笑顔こそが現実だと実感し、手を繋いで歩む未来を誓うのだった。
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