Synopsis
1991年の夏、カリフォルニアに留学していた19歳の主人公は、心を寄せる相手に「大野君の夢って何?」と尋ねられた。その一言は、無防備な彼の心を鋭く貫いた。とっさに言葉を探したが、浮かんでくるのはぼんやりとした、どこか頼りない夢ばかり。それでも思い切って「俺の夢は君……」と口にしたが、その言葉が唇を離れた瞬間、胸に広がったのはただの虚しさだった。
当時の彼は、大学での勉強や卒業が本当に自分の夢とどう繋がるのかを理解できていなかった。学歴や資格が夢の実現に必須だとは思えず、夢は外から押し付けられるものではなく、自分の内面から湧き上がる情熱や欲望であるべきだと信じていた。けれど、その思いは漠然としていて、具体的に言葉にする術を持たなかった。彼の中には確かに何かが燃えていた。しかし、それが何なのか、自分でもはっきりと分からなかった。
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