Synopsis
プロローグ
山間に沈む霧の中、沖田静は静かに列車の窓外を眺めていた。
高校三年、剣道部副主将。
彼は、突如学校を辞めた友人・篠原和真から届いた一通の手紙を手にしている。
「一週間後、家長就任の儀式を執り行う。
君に、どうしても立ち会ってほしい」
和真の家は、ある県の山奥にある小さな村「山祠村(やましむら)」の旧家。
祖父の急逝を機に、唯一の男子として家督を継ぐことになったのだという。
父は幼少期に他界し、母と二人暮らしだった和真。
村の名士の家系でありながら、どこか影のある彼のことが、静は気になっていた。
静の家は、両親と犬の「ハル」。
二歳上の兄は大学進学で家を出ている。
家族の温かさと、和真の背負う重さ――
その対比を胸に、静は決意する。
「……行こう。彼の“今”を、見届けるために」
登場人物(主要10名)
名前 立場・特徴
沖田 静 主人公。高校3年、剣道部副主将。探究心と冷静な知性。
篠原 和真 静の友人。山祠村の旧家の跡取り。寡黙で繊細。
篠原 美智子 和真の母。村のしきたりに縛られつつも息子を案じる。
篠原 由紀 和真の従姉妹。都会育ちで村を嫌う。
篠原 俊一 和真の叔父。村の副総代。権力志向。
篠原 里美 俊一の妻。村の伝統を重んじる。
佐伯 宏 村の神職。篠原家と因縁あり。
佐伯 玲子 宏の娘。和真の幼なじみ。明るく快活。
山崎 進 村の駐在巡査。外部の目。
村上 直樹 村の古老。伝承や祟りに詳しい。
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