Synopsis
書店の灯りは、営業中よりもずっと柔らかくて静か。
閉店作業を終えようとしたそのとき、背後から声がした。
「先輩……やっと、会えた」
そこにいたのは、今日休みのはずの“蓮くん”。
けれど、どこか雰囲気が違っていて——。
穏やかだったはずの閉店後の書店が、夏の夜の幻に変わっていく。
キス未満の焦がれる距離。震える声と、触れそうな指先。
携帯の着信音が現実を呼び戻したとき、そこに“彼”の姿はなかった。
「サマーミラージュ」——幻だったのか、それとも……。
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