Synopsis
私はコンスタンティス正教国の第五王女セレニアである。生まれ出た日から数年間は美貌の姫と持て囃された私だったが、七歳の時に馬車の事故によって美貌の姫から一転、表には出られない哀れな姫に転落した。
右の足首から下を失い、顔にはあざが残ったのだから仕方が無い。
その日から一番美しい姫は、私の一つ下の妹、セシリアとなっている。
それから十一年後、王国と隣国との停滞した国境線争いに業を煮やした王が、打開策としてお触れを出した。
敵国の砦を落とした者には、この国一番の美しき我が娘を与える、と。
すると、一人の英雄が砦を落とし、王に褒美を願い出た。
陸兵団長のバルドゥクは、平民出ながら武勲を上げて英雄となっている男であり、軍部の下士官から大いなる尊敬を向けられている男だ。
そんな素晴らしき男に与えられたのは、国一番に美しい姫セシリアではなく、かつて一番美しかったセレニア、私だった。
ごめんなさい、バルドゥク。
あなたは国一番美しいと言われてる私の妹の方と結婚したかったはずなのよね?
でも、申し訳ないと思いながらも、この幸運を逃したくない、と私は思っているの。私は会った事など無かったあなたに恋しているから。
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