Synopsis
癒しの力を持つリディアは、国にとって“神に選ばれた宝”と称され、筆頭聖女として働いていた。
だが実態は、貴族に従い、寝る間もなく平民の治療に奔走する毎日。
疲弊して神聖力が衰えれば「使えなくなった」と見なされ、ついには王太子から婚約破棄を言い渡される。
癒し、祈り、尽くしても、返ってきたのは感謝ではなく搾取だけ。
感情も思考もすり減ったまま、気づけばリディアは、神殿を抜け出していた。
荷物もなく、記憶もおぼろげなまま乗り込んだ馬車の中で深い眠りに落ちる。
次に目覚めたのは、林の中。
焚き火のそばにいたのは、旅人を名乗る青年――ティオルだった。
見知らぬ土地で始まる、小さな再出発。
その出会いは、世界に疲れ果てた聖女の心を、ゆっくりと癒していく。
やりがい搾取に疲れたので、聖女は廃業します。
癒されたら神聖力も復活したので、これからは愛する人たちのために力を使いたい。
そう、再起を誓ったリディアだったが、ティオルを取り巻く陰謀に巻き込まれて……。
リディアの優しさは報われるのか?
流されるまま生きてきた元聖女の、再生の物語。
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