Synopsis

西暦二〇四五年の仮想近未来。 一枚の写真がSNSに投稿され、世界中へ爆発的に拡散された。 撮影場所は三年前に首都直下型地震で荒廃したトーキョー。そこには破壊されたドーム球場に咲く巨大な蓮の花と、異形の巨人が映されていた。 異形の正体は<デイドリーマーズ>。凶悪事件、怪異、戦争、疫病、天災などを引き起こす、実体のない不可視の怪物である。 その写真が世界中を賑わせる中、パリで暮らす超色覚の少女アーティは、色弱オッドアイのミステリアスな美青年のマコトに熱烈な片想いをしていた。マコトはトーキョーから避難して来た売れないフリーカメラマンである。だが彼の本当の被写体は、人の目に映ることのないデイドリーマーズだった。 それを知ったアーティは、異質な存在であるマコトやデイドリーマーズを怖がるのではなく、彼らを知ろうと歩み寄った。 「知らないから、私は先生を理解したいと思うの」 恐れるのは相手を知らないから。特別を当たり前にしたい。だから、理解したい。 だが二人の行動はデイドリーマーズの監視・駆除を担う秘密組織<ヴィジブル・コンダクター>の目に留まり、命を狙われることに。 視えないものを視えないままにしておきたい者たちと、不可視の存在を人々に証明したい者たち。それぞれの思惑が複雑に絡み合う中、マコトはついに自身とデイドリーマーズの秘密を打ち明ける。 なぜマコトはデイドリーマーズの写真を撮るのか。 デイドリーマーズとはどういう存在なのか。 全てを知ったアーティが超色覚とひたむきな心根で起こした奇跡が、くすんでいたマコトの世界を色付けていく。 色鮮やかな視界でピントを合わせて、あなたを知る。そうすればきっと、私たちはもう独りぼっちじゃない。 これは視覚と色覚、そして不可視の存在を通して相互理解を描く、近未来SFファンタジー。

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