Synopsis
「私は母親だから……」自分の気持ちを押し殺して生きてきたが、ある男性との出会いで忘れかけていた感情を思い出させる。"母"として、"女"としての2つの違う愛に揺れる七海が最後に選ぶ道とは……。
七海は、二人の子どもを育てながら、常に家族を優先してきた。
「私は母親だから」という言葉を呪文のように唱え、夫からの期待、世間からの目、そして自分自身の理想に応えようと必死だった。しかし、子育てに疲れ心が悲鳴を上げている時でさえ、夫からの言葉は七海を追い詰めるばかり。孤独と悲しみの中、七海はまるで土砂降りの中を傘もささずに当てもなく一人歩いている気分だった。
そんな時、恭吾との出会いが七海の凍り付いた心をゆっくりと溶かしていく。恭吾は、七海が既婚者だとは知らない。彼の優しさに触れるたび、七海の心には今まで感じたことのない温かさが灯り始める。
恭吾と出会ったことで、七海は久しぶりに「自分」を取り戻し始めるが、それは同時に七海を苦しめるものでもあった。
これは「不倫」だ。決して許されることではない。もし、自分一人だけなら、迷わず恭吾の元へ行く。しかし、七海には守るべき子どもたちがいる。「私は母親だから」その言葉が、七海の背中を重く押し付けた。七海が最後に選ぶ道とは。
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