Synopsis
小学4年生の夏、宗教民俗学者の兄、真尋に伴われ、雛姫が訪れたのは瀬戸内に浮かぶ小さな離島だった。
早くに両親を亡くし、兄とふたり、慎ましくも平穏な日々を送っていた雛姫だったが、少女はそこで、はじめて己の出生の秘密を知ることとなる。
島を統べる、ある一族に秘められた血の掟と島に伝わる荒ぶる神の物語――
双子の姉妹を輩出することで首座を保ってきた一族、巫部家の当主は、雛姫の亡き祖母の姉であり、雛姫は『ある資格』を持って生まれてきた娘だという。
巫部家において、有資格者は代々、双子の姉妹が《御座所》と《形代》の役目をそれぞれに担い、島に祀られる神を鎮める存在として民を治めてきた。
長年にわたり守られつづけてきた血の掟。
しかし、ある事情から、雛姫の祖母と母の代でそれが破られる。
雛姫はこれによって掟の外に置かれることとなり、すべてのしがらみから逃れるため、真尋に託されて島を出ていた。だが、秘められた力は成長に伴って覚醒し、否が応でも過酷な運命の渦中へと引きずりこんでいく。
島の伝承とそこに祀られる神、そして神を鎮める《御座所》とは……。
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