Synopsis
「だって憑いてきてるもん。旦那さん。幽霊なりたて、ほやほやの姿で」
夫の死を告げた春絵に対し、アスラは言い放った。
「だからぼく最初に言ったじゃない。あの男との結婚は碌な結末を迎えないって」
ある一人の男の死を引き金として、その「ありふれた」二つの家庭は崩壊し地獄の様相を呈してゆく。その根底には一つの怪現象が横たわっており、やがてアスラは「おてんとうさま」という存在を信仰対象とする奇妙な新新興宗教に行き着くのだが……。
廃れたバーの片隅で、猫耳パーカーの少年は、今日も日常にひそむ地獄の相談を受け付ける。
お代は結果が出てからの後払いで結構。助言を聞くか聞かぬかもお客様の自由。ただし、支払いをケチるとその後どうなるかは――さぁて、仕上げを御覧じろ。
「因業因果は巡るもの。今世の不始末解消不足は満額そのまま来世に持ち越し。宵口頼れば阿修羅が招く。横紙破りの強行突破は転生利息で倍のツケ――ってね」
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