Synopsis
私の家は、貧乏な男爵家だった。
ツギハギだらけの服、履き潰した靴、穴の空いた靴下、一日一食しか出ない食事……でも、私は優しい義両親と、笑顔の可愛い義弟に囲まれて、幸せだった。
――――たとえ、家の為に働きに出ている勤め先で、どんな理不尽な目に合おうと、私は家族のために一生懸命働いていた。
貧乏でも、不幸だと思ったことなんて無い。
本当の両親を失い、孤独になった私を引き取ってくれた優しい義両親や義弟に囲まれて、私は幸せ。だけど……ほんの少しだけ、悔しいと……思ってしまった。
見返したい……誰か、助けて欲しい。なんて、思ってしまったの。
まさかその願いが、現実に叶うとは思いもしなかったのに――
いかにも高級で綺麗なドレスは、私だけに作られた一点もの。シンデレラのガラスの靴のような光輝く靴に、身につけるのはどれも希少で珍しい宝石達で作られたアクセサリー。
いつもと違う私の装いを見たご令嬢は、目を丸くして、体を震わせていた。
「な……なんなんですか、その格好は……!どうして、キアナが……貴女なんて、ただの、貧乏男爵令嬢だったのに―――!」
そうですね。以前までの私は、確かに貧乏男爵令嬢でした。
でも、今は違います。
「今日ここに、我が息子フィンと、エメラルド公爵令嬢キアナの婚約を発表する!」
貧乏な男爵令嬢は、エメラルド公爵令嬢、そして、この国の第二王子であるフィン殿下の婚約者になって、貴方達とは住む世界が違ってしまいました。
どうぞ、私には二度と関わらないで下さい。
そして――――罪を認め、心から反省して下さい。
私はこのまま、華麗なシンデレラストーリーを歩んでいきます。
不定期更新。
この作品は私の考えた世界の話です。魔物もいます。魔法も使います。設定ゆるゆるです。よろしくお願いします。
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